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ALOS-2サンプルデータ

歴史的な干ばつによるイタリア北部のポー川流域への影響

地球温暖化の影響により干ばつの可能性は高くなってきています。ポー川流域の記録的な猛暑と広域で発生している気候変動の関係性の研究が科学者により進められていますが、乾燥による被害はどこの農家にとってもニューノーマルなものとなってきています。
気候変動は、世界中の降水パターンにも影響を与え、乾燥地域をより乾燥させます。

イタリア北部では、昨冬は降雪量が少なく、今年の春は降水量が平年並みではありませんでした。そして夏はヨーロッパ全体に熱波をもたらし、気温の上昇によりポー川の水位が通常よりも低くなりました。また土壌と植生が乾燥し、農業用水の確保に影響を与えました。

2時期の変化解析

パスコは2時期の画像を使用して簡易な解析を実施しました。
まず、ポー川下流の乾燥地域をALOS-2で観測された2時期の画像を選定しました。平年の状況と考えられる2021年8月4日の観測画像と、干ばつによって影響を受けた2022年7月6日の観測画像を比較対象としました。
               
   イタリア210804全体2.jpg
シーンID : ALOS2388840890-210804 観測日 : 2021年8月4日 
   
        イタリア220706全体2.jpg
シーンID : ALOS2438520890-220706 観測日 : 2022年7月6日 
    
下図の通り、各時期のバンドを2021年は赤色に、2022年は青色に合成して表示させました。Sentinel-2 (光学衛星) も参考に、赤色は作物が比較的育っている箇所、青色は作物があまりよく育っていない箇所と分別することができました。
画像中央部のポー川に注目すると、青色のエリアは、今年は水位低下により川床が見えていることが判りました。
 イタリア赤青差分全体図2.jpg
二時期のカラー合成画像

ALOS-2観測パラメータ
  観測モード:StripMap (SM3)
  解像度:10m
  偏波:HH+HV
  オフナディア角:32.5度
  ビーム番号:F2-6

プロダクト処理レベルと処理パラメータ
  レベル2.1 (オルソ幾何補正)
  使用軌道データ精度:使用可能な最も精度の高いもの
  リサンプリング方法:NN
  フレーミング:Geo-coded
  地図投影法:UTM
  フォーマット:GeoTiff
  ピクセルスペーシング:6.250m
  シーン移動量:0 (シフトなし)

参考:ALOS-2アーカイブ画像購入時のパラメータ設定


上記の2つのシーン (解析前の画像) について関心のある方は、サンプル画像としての提供も可能です。お問い合わせ内容詳細に「イタリアポー川 サンプル希望」と入力し、問い合わせページからご依頼ください。



下記ページも合わせてご覧ください。
- 2022年7月観測分 SM3モードアーカイブ画像
- アーカイブ注文方法