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PALSAR-2
梅雨前線に伴う豪雨災害
2021年7月に入り、本州の南海上に停滞していた梅雨前線が北上し、西日本から東日本にかけ広い範囲で大雨をもたらしました。7月2日から、静岡県・神奈川県をはじめとした地域で記録的な豪雨となり、翌3日午前には、熱海市伊豆山地区を襲う土石流が発生するなど、各地で水害や土砂災害が起こり大きな被害を受けました。
※本記事に掲載している画像は、ALOS-2により取得された画像をWeb表示用に圧縮加工したものです。
■ 衛星画像による強度差分図■
パスコは概況把握を目的に、陸域観測技術衛星2号「ALOS-2」の合成開口レーダー画像から強度差分図を作成しました。(© JAXA)
【被災前】2020年10月11日 / 【被災後】2021年7月4日
強度差分図は、被災前(2020年10月11日)の画像に赤、被災後(2021年7月4日)の画像に青を割り当ててカラー合成した画像です。被災前後で変化があった箇所が赤や青に着色されます。
下の図は、静岡県熱海市伊豆山地区周辺の強度差分図です。
(A)谷の源頭部の斜面が崩落して大きく地形が変化した箇所が青く着色されている。
(B)源頭部から下流(右)に向かう谷添いは、土石流が土砂や立木を流出させたため、赤く着色されている。
(C)土石流が建物を大きく倒壊・流出させた場所は広く赤や青に着色されている。
建物の密集地は一般に白黒の点の組み合わせとして現れ、それらがなくなると赤・青の組み合わせに着色されており、多くの建物が流出したことがわかる。
※取得日時:22時49分(JST)
取得モード:ストリップマップ
分極:HH
取得軌道:北行き軌道(左側観測)
入射角:46.4°
(仕様は両日とも同じです)