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ALOS-4データ
ALOS-4データを活用した2025年12月青森県東方沖地震の干渉SAR解析結果
ALOS-4(先進レーダ衛星「だいち4号」)は、2024年7月1日の打ち上げ後、2025年3月31日までの初期校正検証運用を経て、定常観測運用へと移行しました。LバンドSARによる高頻度・高精度な観測体制が整ったことで、地震や火山活動、地盤変動といった自然現象に対する迅速かつ詳細な把握が可能となっています。
本記事では、ALOS-4の定常観測データを活用し、2025年12月に発生した青森県東方沖地震を対象とした干渉SAR解析の事例を紹介します。発災前後の衛星データを比較することで、地震に伴う地表変位の分布やその規模を明らかにします。
干渉SAR解析事例 - 青森県東方沖地震 -
2025年12月8日23時15分頃(日本時間)、青森県東方沖を震源とする地震が発生しました。この地震はマグニチュード7.5、最大震度6強を観測し、東北地方から北海道の広い範囲で強い揺れが確認されました。また、本地震の発生を受けて、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が制度創設後初めて発表され、社会的にも大きな注目を集めました。
本解析では、地震発生前後に観測されたALOS-4データを使用し、干渉SAR(InSAR)解析を実施しました。干渉SAR解析は、同一地域を異なる時期に観測したSARデータ間の位相差を解析することで、地表の微小な変動を面的に捉える手法です。数cmオーダーの変位を広域に把握できるため、地震に伴う地殻変動の解析に有効です。 解析処理においては、LバンドSAR観測で顕著となる電離層の影響を低減するため、Split-Spectrum Method(SSM)を用いて電離層遅延成分の補正を行いました。さらに、アンラップ処理を適用することで、位相差から衛星視線方向(LOS方向)の連続的な変動量を算出しました。
その結果、発災後の変位分布として、下北半島の付け根付近において、最大で約8cm程度、衛星から遠ざかる方向の変位(沈下または東向きの変位)が確認されました。これにより、青森県東方沖地震に伴い、陸域まで含めた地殻変動が生じていたことが把握できました。 ALOS-4の高分解能・高頻度な観測性能により、地震後の迅速な状況把握が可能であることが分かります。
今回解析に利用した画像の詳細は以下の通りです。 ■ ALOS-4観測パラメータ 観測日:2025/11/16、2025/12/14 観測モード:StripMap 3m (SM1) 解像度:3m 偏波:HH+HV 衛星方向:南行(降交軌道) シーンID:(発災前)ALOS40242750251116UWDPLD0107、ALOS40242760251116UWDPLD0107 (発災後)ALOS40242750251214UWDPLD0107、ALOS40242760251214UWDPLD0107


