ASTERRA社とALOS-2のシナジー

ALOS-2は昨年打ち上げから10周年を迎えました。 今日ALOSの観測データ利用はとても幅広く、インフラ管理や環境モニタリング、農業、そして災害と多岐にわたります。 パスコは、ALOS-2データを活用して複数の産業分野に革新的なソリューションを提供する、最先端のグローバルテクノロジー企業であるASTERRAにインタビューを行いました。

インタビュー対象者


ASTERRAは、衛星ベースの先進的なAI技術をリードする企業であり、地域社会が重要なインフラを管理・保護する方法を革新しています。
ASTERRAの主要サービスは、水管理（漏水検知）、インフラの強靭性、そして環境モニタリングに焦点を当てています。飲料水システムの地下漏水検知から、地盤安定性のための土壌水分マッピング、大規模な環境変化の監視まで、ASTERRAのインサイトは資源を節約し、リスクを低減し、持続可能性を高めます。宇宙技術と地上の日常業務をつなぐことで、より活力ある、強靭で持続可能な未来の構築を支援しています。 これらのサービスは、68か国の600以上の水道事業体で利用され、175,000件以上の漏水が確認され、データ提供は2,000件を超えています。（2025年9月現在）

ALOS-2データを活用したサービス

ALOS-2の高いデータ品質と精度は、約10年間にわたりASTERRA社独自のサービスに大きく寄与してきました。 LバンドレーダとASTERRA社独自の特許アルゴリズムを組み合わせることで、光学衛星では見えない重要な地下の変化を検出するために必要な透過性と安定性を提供しています。 ALOS-2データを活用し、ASTERRA社は以下のようなサービスを提供しています。






◇ 漏水検知 (Recover Product) – 都市部および農村部の水道配水ネットワークにおける隠れた漏水箇所を特定し、数十億リットルの水を節約するとともに、エネルギーコストと二酸化炭素排出量を削減します。

◇ インフラモニタリング (EarthWorks Product) – 道路、鉄道、ダム、堤防、運河、パイプラインの下の土壌水分を評価し、重大化な地盤沈下が発生する前にリスクを予測し、その影響を最小化します。

◇ 環境への応用 – 災害対応、農業、土地利用の管理を支援するため、信頼性の高い全天候型のモニタリングを提供します。

ALOS-2によってASTERRAは、水不足の削減、電力会社の運用コストの削減、そして政府がインフラ関連の危険から地域社会を守る取り組みなど、社会活動に直接貢献してきました。これは宇宙技術が社会に具体的な利益をもたらす、明確で有益な事例と言えるでしょう。

ALOS-4への期待

私たちはALOS-4の販売開始にとても期待しています。より広い観測幅、観測頻度の向上、ALOS-2から継続される4偏波観測により、ALOS-4はプロジェクト運用における当社の能力を大幅に強化し、世界中のお客様のニーズにより的確に応えることが可能になります。具体的には以下の3つを想定しています。

　1. より大きな社会的影響 – ALOS-4による広範のカバレッジにより、より多くの水資源を保全し、インフラの故障を防ぎ、温室効果ガス排出を大規模に削減することが可能になります。

　2. 幅広い応用分野 – 改良された技術とカバレッジにより、環境モニタリング、気候適応、そして災害対応におけるSARの利用が拡大し、ASTERRA社のソリューションは変化する世界においてさらに重要性が高まります。

　3. グローバルな展開 – ALOS-4は、より迅速かつ効果的に多くの地域社会にサービスを提供できるようになり、持続可能性とレジリエンスの目標達成に向けた世界的な取り組みに貢献します。

ALOS-4は単なる技術の進歩にとどまらず、ASTERRA社とSARデータが社会にもたらすポジティブな影響を何倍にも広げる機会となるのです。