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ALOS-3 アドバンスドプロダクト
ALOS-3 パンシャープン画像
パンシャープン処理は、高解像度なパンクロマチック (Pan) 画像を用いて、対応する低解像度なマルチスペクトル (MS) 画像を鮮明化する画像合成プロセスです。パンシャープン化されたMS画像は通常、高い空間解像度を持つカラー画像になります。
ALOS-3のアドバンスドプロダクト、パンシャープンはBrovey変換を適用し、Pan画像 (80cm分解能) 、MS画像 (3.2m分解能) とを組み合わせることで高解像度 (80cm) のカラー画像を作成します。
HSI (HSV) 変換によるパンシャープン処理の流れ
下図は、代表的例として、HSI (HSV) 変換によるパンシャープニング処理の流れを示しています。
HSIとは、Hue (色相) 、Saturation (彩度) 、Intensity (明度) の頭文字で、色の指標を表します。ここでは、Intensity は Value と表してHSV色空間とします。RGBは、光の三原色、Red (赤色) 、Green (緑色) 、Blue (青色) のことです。 パンシャープン処理は、カラー画像をHSV画像に変換し、変換したHSV画像の明度のV値を高解像度画像 (Panchromatic) のDN値に置き換え、これをカラー画像 (RGB) に変換し直すという処理です。
パンシャープン画像の作成手順は、次のようになります。
まず、低分解能のカラー画像と高解像度画像の位置合わせを行います。これは、幾何補正処理によって、低解像度カラー画像を高解像度画 (Panchromatic) に一致させる作業を指します。 次に、低解像度のカラー画像を、RGBからHSVの色空間に変換し、色相画像、彩度画像、明度画像に変換します。 そして、明度画像を高解像度画像 (Panchromatic) に置き換えます。 最後に、3種類の画像、置換された明度画像 (高解像度画像;Panchromatic) と色相画像、彩度画像を、HSVの色空間からRGBに変換し、カラー画像 (RGB) 化します。
パンシャープニング処理の代表的な種類
パンシャープニング処理には、HSI変換以外にも様々な処理方法があります。 代表的な処理方法を紹介します。
■ Brovey 変換 スペクトル モデリングをベースとする Brovey アルゴリズムがデータ融合に使用されます ■ HSI 変換 (HSV手法と同等) 明度、色相、彩度の色空間がデータ融合に使用されます。 ■ Simple Mean 変換 赤、緑、青の値とパンクロマティック ピクセル値を平均した値が使用されます。 ■ Gram-Schmidt スペクトル シャープン手法 Gram-Schmidt スペクトル シャープン アルゴリズムを使用して、マルチスペクトル データを鮮明にします。 ■ SFIM (Smoothing Filter-based Intensity Modulation) 高解像度画像とそのローパスフィルター処理された (平滑化フィルターを使用した) 画像の比率を使用することにより、空間情報を低解像度マルチスペクトル画像に変調します。 ■ PCA (Principal Component Analysis) 相関変数を持つ多変量データセットを無相関変数に変換します。 ■ HPFA (High-Pass Filter Additive) 高解像度画像の構造上、および組織上の詳細情報を低解像度画像に挿入します。 詳細な処理方法に関しては、こちらを参照ください。