PALSAR-2
ALOS-2搭載のPALSAR-2は、Lバンドの電波を空間に放射し、
地表面から反射される電波を受信することで情報を得るマイクロ波センサです。
ALOS-2では大きく3パターンの観測モードが選べます。
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スポットライト
モード(SPT)最も詳細な観測を実現する分解能1m×3m(観測域25km)
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高分解能モード(SM)
分解能3m、6m、10mから選択可能(観測域50km or 70km)
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広域観測モード(WD)
広範囲を一度に観測できる(分解能60m~100m、観測域350km or 490km)
これらの中から目的に応じて適切な観測モードを選択することで、最適な観測を行います。
PALSAR-2の主要諸元
観測モード | スポットライト | 広域観測 | ||
---|---|---|---|---|
[28MHz] | [14MHz] | [490km] | ||
観測モードID(略称) | SBS | WWS/WWD | WBS/WBD | VBS/VBD |
観測幅(東西) (レンジ方向の距離) |
25km | 350.5km | 350.5km | 489.5km |
観測長(南北) (アジマス方向の距離) |
25km | 355km | 355km | 355km |
観測長(南北) (アジマス方向の時間) |
N/A | 52秒 | 52秒 | 52秒 |
レンジ分解能※1 | 3.0m | 47.5m (5look) |
95.1m (5look) |
44.2m (2look) |
アジマス分解能※1 | 1.0m | 77.7m (3look) |
77.7m (3look) |
56.7m (1.5look) |
ピクセルスペーシング レベル1.5/3.1 |
0.625m | 25m | ||
ピクセルスペーシング レベル2.1 |
0.625m/1.25m/2.5m | 25m/50m/100m | ||
偏波 | 単偏波 (HH,HV,VH,VVのいずれか) |
単偏波(HH,HV,VH,VVのいずれか) 2偏波(HH+HV又はVH+VV) |
観測モード | 高分解能 | ||||
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解像度 | [3m] | [6m] | [10m] | ||
偏波 | 単偏波/2偏波 | 単偏波/2偏波 | フルポラリメトリ | 単偏波/2偏波 | フルポラリメトリ |
観測モードID(略称) | UBS/UBD | HBS/HSD | HBQ | FBS/FBD | FBQ |
観測幅(東西) (レンジ方向の距離) |
55km (最大) |
55km (最大) |
40-50km | 70km (最大) |
30km |
観測長(南北) (アジマス方向の距離) |
70km | 70km | 70km | 70km | 70km |
観測長(南北) (アジマス方向の時間) |
10秒 | 10秒 | 10秒 | 10秒 | 10秒 |
レンジ分解能※1 | 3.0m | 6.0m | 5.1m | 9.1m | 8.7m |
アジマス分解能※1 | 3.0m | 4.3m | 4.3m | 5.3m | 5.3m |
ピクセルスペーシング レベル1.5/3.1 |
2.5m | 3.125m | 3.125m | 6.25m (2look) |
6.25m (2look) |
ピクセルスペーシング レベル2.1 |
2.5m/5.0m /10.0m |
3.125m /6.25m /12.5m |
3.125m/6.25m /12.5m |
6.25m /12.5m |
6.25m /12.5m |
※1:特に断りのない限り1lookの値とする。また、入射角37度の値で規定されている。
※単偏波(HH,HV,VH,VVのいずれか)、2偏波(HH+HV又はVH+VV)、フルポラリメトリ(HH+HV+VH+VV)
PALSAR-2 プロダクト毎のデータ容量
観測モード | スポット ライト |
高分解能 | フルポラリメトリ | 広域観測 | ||||||||
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3m | 6m | 10m | 6m | 10m | 350km | 490km | ||||||
方式① | 方式② | 方式① | 方式② | |||||||||
L1.1 (ジオリファレンス)※2 |
4.3 | 5.2 | 2.4 | 1 | 5.5 | 2.1 | 3.5 | 6.9 | 27.1 | 54.1 | 6 | 46.8 |
L1.5/L2.1/L3.1 (ジオリファレンス) |
3.1 | 1.2 | 0.8 | 0.2 | 0.7 | 0.1 | 0.4 | 0.5 | ||||
L2.1 (ジオコーデッド)※3 |
6.1 | 2.4 | 1.5 | 0.5 | 5.7 | 0.9 | 0.7 | 1.1 |
※2:ジオリファレンス:衛星進行方向を基準に地図投影したもの
※3:ジオコーデッド:地図上での方向を基準に投影したもの
※入射角37度を基準としている
※フルポラリメトリ以外、単偏波のデータサイズであり2偏波の場合は2倍となる
※観測モードの英語表記は、スポットライト(Spotlight)、高分解能(Strip Map)、広域観測(ScanSAR)となっている。
※代表的なオフナディア/スキャン番号のデータサイズ
※想定される最大のデータサイズ
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方式①(バースト方式)
バーストごとにレンジ圧縮及び1ルックアジマス圧縮を行う。シグナルデータはバーストごとに作成されるが、同一スキャンかつ同一偏波に属するデータは同じイメージファイルに時系列順に格納。
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方式②(フルアパーチャ方式)
バースト間のゼロ埋めを行い、レンジ圧縮及び1ルックアジマス圧縮を行う(処理はスキャンごと、かつ偏波ごと)。
PALSAR-2プロダクトの処理レベルの定義
レベル | 定義 | フォーマット |
---|---|---|
レベル1.1 | レンジ圧縮及びアジマス圧縮を行った後の、スラントレンジ上の複素数データである。1ルックのデータであり、位相情報を含んでいるため、この後の処理のベースとなる。広域観測モードでは、スキャン単位でイメージファイルが作成される。 | CEOS SAR /GeoTIFF |
レベル1.5 | レンジ圧縮及びアジマス圧縮を行い、さらに地図投影した振幅データでマルチルックされたグランドレンジ上のデータである。 | CEOS SAR /GeoTIFF |
レベル2.1 | レベル1.1データに数値標高データを用いて幾何補正(オルソ補正)を行ったデータである。 | CEOS SAR /GeoTIFF |
レベル3.1 | レベル1.5データに画質補正(雑音除去処理、ダイナミックレンジ圧縮処理)を行ったデータである。 | CEOS SAR /GeoTIFF |
PALSAR-2プロダクト処理レベルの特徴
レベル1.1 | レベル1.5 | レベル2.1 | レベル3.1 | |
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シーン単位切り出し | ||||
レンジ圧縮 | ||||
1ルックアジマス圧縮 | ||||
マルチルック アジマス圧縮 |
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複素数データ | ||||
振幅データ | ||||
地図投影 Georeferenceまたは Geo-coded |
※Geo-codedのみ | |||
オルソ補正 | ||||
画質補正 (雑音除去処理) |
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画質補正 (ダイナミックレンジ 圧縮処理) |
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備考 | Single Look Complex(SLC)データ、 インターフェロメトリ(InSAR)処理に使用可能 |
ピクセルスペーシングは観測モードにより選択可能 | ピクセルスペーシングは観測モードにより選択可能 |